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パテック フィリップが2月の値上げに伴い、愛好家に人気の5164Aやその他人気モデルの生産を終了

パテックフィリップ スーパーコピーにとって“消滅”の日である。歴史上、(2024年度の)値上げと生産終了(または“消滅”)の両方を、正規販売店に共有してきた日なのだ。しかし多くのパテック愛好家(または愛好家を目指している人)にとって、2月1日は、どのモデルが突然ウェブサイトから消えるのかによって、夢と希望が打ち砕かれる日となる。

今年はWatches & Wondersの開催が、実質的に昨年より1カ月遅いため、今年の発表は早いように感じるかもしれない。つまりブランドが再び空いたカタログを埋めるまで、まだ時間がかかるということだが、これは以前から同じことだ。そして今年もパテックはスポーツモデルに焦点を当て、ストラップとブレスレットの組み合わせの冗長性を排除したようだ。つまり私が特に気に入っている1本が(私だけではないと思うが)壊滅的な打撃を受けたのだ。さようなら、ステンレススティール製のアクアノート トラベルタイム Ref.5164A。13年近く市場にいたが、君はこの世界にはもったいない存在だった。

5164Aは2011年にバーゼルで発表され、我らがベン・クライマーが“これまでで最もクールなアクアノートと言っても過言ではない”と評したモデルだ。複雑機構であるトラベルタイムのプッシャーは、タイムゾーンをすばやく変更する最もエレガントな方法だといつも感じているため、ここ数年、私の“普段使いの聖杯”ナンバーワンになっている。ローズゴールドの5164Rはまだラインナップにあるが、私はSSで目立たないようにするほうが好きだ。とにかく、私の悲しみはこれくらいにして、残りのディスコンモデルに移ろう。

Patek 5980R
これが、2024年にパテック フィリップが生産中止する時計の全リストである。

アクアノート トラベルタイム 5164A
アクアノート・ルーチェ・ハイジュエリー Ref.5062/450R
ノーチラス・クロノグラフ、ブレスレットモデル Ref.5980/1R
ノーチラス・プチコンプリケーション・ローズゴールド(Ref.5712R)とホワイトゴールド(Ref.5712G)、ストラップモデル
グランド・コンプリケーション・永久カレンダー(彫金入り) Ref.5160G
年次カレンダー&ムーンフェイズ、ホワイトゴールド(Ref.5396G)とローズゴールド(Ref.5396R)
ワールドタイム、ハンドギヨシェダイヤル Ref.5230P
カラトラバ・パイロット・トラベルタイム 37.5mm、ローズゴールド(Ref.7234R)とホワイトゴールド(Ref.7234G)
これらの生産終了に加えて、パテックは今年、全モデルで平均7%弱の値上げを行った。私の簡単な集計から唯一外れたのは、Ref.5930P ワールドタイム・フライバック・クロノグラフで、8.3%上昇したが平均的な値からそれほど離れてはいない。来たる3月が始まる前に時計を買ったほうがいいということを示している。もっと高くつくかもしれないし、最悪の場合、存在していないかもしれないからだ。

  • 2021年02月01日(月)08時30分

モーション・シティ・サウンドトラックのキーボーディスト、

ブルックリンで開催されたバンドのアニバーサリーライブで友人に会い、シャツの上から汗をかいて、キーボードの上で逆立ちするのに最適な時計を見てきた。

放課後はたいてい、ロレックススーパーコピーn級品通りにある親友の家に行ってFuse TVやミュージックビデオを見たり、ザ・スターティング・ライン、フォール・アウト・ボーイ、ジミー・イート・ワールド、サムシング・コーポレイト、アンダーオースといった数え切れないほどのお気に入りの曲のリリックを覚えていた。初めて買ったエレキギターがストラトキャスターではなくレスポールだったのには理由がある。そしてワープド・ツアー 2005のコンピレーションアルバムが私の人生を変えたのだが、結局ワープド・ツアーに行くことは叶わなかった。そのジャンルと時代のライブ音楽を初めて味わったのは、モーション・シティ・サウンドトラックだった。

モーション・シティ・サウンドトラックは20年以上前から、ブルックリンでのショーを満員にしてきた。

ウィスコンシン州グリーンベイで耳にした音楽のほとんどは、カントリーミュージックとカジノツアー中の古いロックバンド(スリー・ドッグ・ナイトは基本的にウィスコンシン州の住民だと思うし、ムーディー・ブルースのコンサートでは20歳差で私が最年少だったと思う)、そして幸運にもジョン・メイヤーの“Heavier Things”ツアーが訪れていた。しかしモーション・シティ・サウンドトラックは2回も聴けた。私はオール・アメリカン・リジェクツが好きだったが、彼らのライブに行ったのはオープニングアクトのMCS(モーション・シティ・サウンドトラック)が目当てだった。エネルギーに歌詞、彼らにはすべてがあった。今でもそうだ。

リードボーカルで作詞家のジャスティン・ピエール。

キーボードはジェシィ・マック・ジョンソン。

雨が降る今週火曜の夜、モーション・シティ・サウンドトラックはブルックリンのワルシャワにて、デビューアルバム『I Am the Movie』の20周年記念公演を行い、満員の観客の前で演奏をした。これはどのバンドにとっても驚異的な人気であり、彼らのファンもお祝いに駆けつけた。そして、時計の世界がいかに狭いかを証明するかのように、私は幸運にもバンドのキーボーディストであるジェシィ・マック・ジョンソンと友達になれた。ジョンソンは過去にHODINKEEラジオのゲストとして登場し、コール・ペニントンは少し前にFour + Oneで彼の紹介もしている。それからしばらく経ったある夜、コールがビールとハンバーガーを食べながら紹介してくれたのだ。やがて私たちは友達になり、今では彼がツアー中でないときは街の交流会で会ったり、一緒に遊んだりしている。

ジョンソンは、私にライブのための撮影パスとバックステージパスの両方を用意してくれ、ライブのあと、私たちは皆で座って音楽、ギア、時計について話した(彼らの友人のひとりは、“これまでで最もマニアックなトーク”と呼んでいた)。私がカメラを手にして最初に撮影したもののひとつがコンサートだった。だからそのスキルを思い出し、音楽と時計を織り交ぜた撮影をした。

ジョンソンといえば、チューダー サブマリーナーをこよなく愛しているが、彼はセットでの衝撃、打痕、傷、汗に耐えられるものが欲しいと言っていた。ああ、それと彼が毎晩モーグのMG-1キーボードの上でやっている“モーグスタンド”(キーボードの上で逆立ちするアクション。MCSのジョンソンが広めたとされる)にも耐えられるもの。それらに耐えられる最高の時計とは何だろう?

モーグスタンドだ!

時計が見える。もっと近づいてみよう。

なるほど、ロレックスのように見えるが、ステージの証明だとわかりにくい。もっと近づいてみよう。

合っていた!

ジョンソンはロレックスの“スターバックス”サブマリーナー、Ref.126610LVを着用していた。半年前に担当の正規ディーラーから電話があったとき、彼は本当にこれをつけるのかと聞かれたそうだ。彼はつけると約束し、最近、ディーラーに傷だらけのスターバックスの写真を送ったと言っていた。おまけに時計をしないほとんどの人はグリーンサブの存在を知らないため、偽物だと思われてしまう可能性が高いという。

ザック・コントワのレスポール。

バンドのツアーギタリストであるザック・コントワも時計好きだということを、ライブのあとに知った。彼の手首には信頼できるハミルトン カーキ フィールドがあったが、写真を撮ることはできなかった。たぶん、次は撮れると思う。もしニューヨークの近郊にいる方なら、バンドは今夜(1月11日)ニュージャージー州アズベリーパークにあるザ・ストーン・ポニーで演奏する。その後ボストン、バッファロー、トロントに向かい、ツアーを締めくくる。

  • 2020年03月02日(月)11時55分

SEALABで使われた可能性のあるロレックス サブマリーナー Ref.5512

米国を拠点とするeBayセラーが、翡翠の象のペンダント、エルジンの懐中時計3点セット、その他多くの小物と一緒に、ロレックスのサブマリーナー(Ref.5512)をこっそりと出品した。4本のラインが入ったギルトダイヤル、美しいパティーナ、リベットで留められたブレスレットは、どんなコレクターにもよろこばれる。しかし、これは普通のヴィンテージサブではないかもしれない。裏蓋には“SEALAB-13”と刻印されているこの象徴的なダイバーズウォッチは、人類が海の底で生きようとした、最も有名で野心的な試みのひとつと結びついている可能性がある。

1960年代半ばから後半にかけて、人々の関心は米ソの宇宙開発計画に向けられていたが、米海軍は“マン・イン・ザ・シー”というSEALAB(シーラブ)スーパーコピー 代引き計画(米海軍による海底居住実験計画)の名の下に、同じように困難で異質な環境に人間を送り込んだ。宇宙飛行士たちが天空の高台を支配するために戦っていた頃、海軍は海底を次のフロンティアとして捉えていた。波の下に本当の意味で足場を築く唯一の方法は、人間が居住地や作業場、そしてもちろん防衛の目的で長期間そこに住めるようにする目的だった。なにしろ冷戦の真っ只中だったのだ。しかし、比較的浅い水深であっても、水中での生活には複雑さと危険が伴う。

1969年、カリフォルニア沖の水深100ファゾムス(約620フィート、約189m)で活動したシーラボIIIのイメージ図。

ジャック=イヴ・クストー(Jacques-Yves Cousteau)はすでに、彼の個人事業であるコンシェルフで海中生活をしており、米海軍は彼にSEALAB生息地の開発について相談した。一方、海軍医師であるジョージ・F・ボンド(George F. Bond)大尉は、最初にヤギ、次にボランティアのダイバーで模擬的に、さまざまな深度で異なる混合ガスの呼吸実験を開始した。酸素は深さが増すと有毒になり、窒素は麻薬になる。したがってこれらのリスクを低減するために、両者の大部分が不活性ガスであるヘリウムに置き換えられている。それでも減圧症、別名“潜水病”の可能性を減らすために、海面気圧に戻すための新しい減圧プロトコルを開発する必要があった。居住環境と呼吸ガスを整えたSEALAB Iは、1964年7月、バミューダ沖の192フィート(約58m)の海水下、加圧された質素な生息地でスタートした。熱帯性暴風雨のため、予定していた3週間のプロジェクトは11日後に中止されたが、4人のダイバーは狭い住居で生活し、毎日探検のダイビングに出かけ、ミッションの終わりには減圧され無傷で帰還したためプロジェクト全体としては成功を収めた。

集合写真でポーズをとるSEALAB IIのクルーたち。下段の左から2番目に、マーキュリーの宇宙飛行士であるスコット・カーペンター(Scott Carpenter)がいる(ロレックス サブマリーナーも数本ある)。

さらに2度のSEALABミッションが実施される。2回目はカリフォルニア州ラホヤ沖の水深205フィート(約62m)で行われた。SEALAB IIには温水シャワーと冷蔵設備があり、マーキュリー宇宙飛行士から水中飛行士に転身した元宇宙飛行士のスコット・カーペンターは、30日間水中に潜り続けるという記録的な数字をたたき出した。この2回目のミッションの成功を受けて、1969年2月に進水したSEALAB IIIは最も大規模なミッションとなり、水深610フィート(約185m)で数々の実験が実行されるはずだった。しかし、初日に居住スペースで水漏れが発生したため、ダイバーが問題解決のために派遣された。そのうちのひとり、水中飛行士であるベリー・キャノン(Berry Cannon)は、呼吸ガスから二酸化炭素を除去するための重要な成分を欠いたリブリーザー(※編注;閉鎖式または半閉鎖式で呼吸を循環させる装置)により、急性低酸素症で死亡した。これには妨害工作の噂が飛び交い、わずか数カ月後に月面着陸が成功したことと、国民(と政府)の一般的な海底居住への関心の低さから、SEALAB計画は中止された。

腕時計、特にダイバーズウォッチに興味がある人にとって、SEALABは間違いなく史上最も目的に特化した時計である、ロレックス シードゥエラーの開発に関わったことで伝説となっている。SEALABの3つのミッションすべてに参加した唯一の水中飛行士であるロバート・A・バース(Robert A. Barth)海軍兵曹長は、ある展示会でロレックスの担当者に、ダイバーの長い減圧サイクル中にサブマリーナーの風防が吹き飛ぶという事実について訴えたことは有名である。その答えはもちろん、時計の内部にたまったヘリウムを排出できるヘリウムガスエスケープバルブだった。しかし、シードゥエラーはSEALAB IIIのミッションまで開発されなかったため、最初の2回のミッションでは、ほとんどのダイバーがサブマリーナーを着用していた。

SEALABでの経験がシードゥエラー開発のきっかけとなった、ロバート・A・バース海軍兵曹長。

イギリス海軍とは異なり、米海軍はダイバーに時計を支給しておらず、ダイバーが着用する時計の製造仕様も定めなかった。しかし彼らはダイバーズウォッチを含むSEALABに使用される、すべての装備品カタログとマークを作成した。ボブ・バース(Bob Barth)によると、2012年に私が彼に行ったインタビューでは、ほとんどのダイバーがロレックスを選んだという。理由は“ほかのものより少し頑丈そうだったから”だそうだ。したがって、1959年の製造日を示すシリアルナンバーを持つこのRef.5512は、初期のSEALABミッションのいずれかの水中飛行士、サポートダイバー、または水上クルーの所有物であった可能性が十分にある。裏蓋にある“SEALAB-13”のマークは、この時計が実際にマン・イン・ザ・シープログラムでボ使用されたことを示しているかもしれないが、出品者はこれを裏付ける証拠も、また否定する証拠も提示していない。

搭載されるムーブメントはオリジナルではなく、ロレックスのCal.1560を交換したものである。しかし、コレクターがオリジナリティを重視する一方で、現役ダイバーが最優先したのはトップレベルの装備、つまり最高級の機能を備えたツールウォッチである。そのためプロが使用していた時計には、ムーブメントが交換されていたり、文字盤の夜光の付け替え、その他の改良が施されていることがよくある。

繰り返しになるが、HODINKEEはこれがSEALABのミッションで使ったロレックスであるという確証がないし、eBayセラーとの関係もない。購入時に特性や価値を把握しなくてはならない。しかし、SEALABの物語を新たな読者に説明できるきっかけとなり、もし仮に、この古いサブが本当にダイビングと探検の歴史の一部なのかもしれないというかすかな希望を刺激するいい口実になった。

  • 2020年01月01日(水)11時52分

グランドセイコーに魅力的なダイヤルを持つモデルが加わった。

セイコーが世界に誇る唯一無二の機構であるスプリングドライブが誕生したのは、今からさかのぼること25年前の1999年。同年にセイコーは近未来的な流線型ケースを持つ初のスプリングドライブ搭載機を発表し、さらに5年の開発期間を経て2004年に72時間のパワーリザーブを持つグランドセイコー専用設計ムーブメント9R65を乗せたSBGA001、SBGA003を世に送り出した。今年は、専用ムーブメントであるCal.9R系が登場してから20周年の年にあたる。これを記念し、グランドセイコーは3月、そして6月と2回に分けて記念モデルをリリースする。どちらもブランドゆかりの地、信州を南北に横断する穂高連峰をモチーフとした情緒的なダイヤルを持っている。

まずは3月8日(金)に、スーパーコピー時計 代引きヘリテージコレクションから桜色のグラデーションダイヤルを備えたCal.9R65搭載モデルであるSBGA497が発売される。ダイヤルのカラーは穂高連峰の雪原、その表面を照らす朝焼けをイメージしたものだ。このダイヤルパターンには見覚えがある……、と思ったあなたは鋭い。雪原つながりで気がついたかもしれないが、今モデルでは“雪白(ゆきしろ)”パターンを踏襲している。雪白ダイヤルを搭載したSBGA211は2017年に登場したモデルだが、今もブランドを代表する時計のひとつとして国内外問わず高い人気を誇っている。また、今作SBGA497では桜色のダイヤルになじむゴールドのブランドロゴと赤いパワーリザーブ針が採用された。ケースはブライトチタン製で、サイズは直径41mmで厚みが12.5mm。ムーブメントにはCal.9R65を搭載しており、約3日間のパワーリザーブを有している。

SBGA497発売の3ヵ月後、6月8日(土)に登場するのがスポーツコレクションのSBGE305だ。ローカルジャンピング機能を備えたFlyer GMTで、単色の24時間表示ベゼルに、夏の穂高連峰の朝焼けに着想を得たサンレイのダークレッドダイヤルを備えている。カラーこそ華美だが、GMT針までシルバーで統一された針&インデックスによって端正で落ち着いた印象にまとまっている。なお、単色セラミックベゼルに対してフランジは午前、午後でダークレッドとシルバーに塗り分けられており、GMTウォッチとしての機能もきちんと担保されている。ケースサイズは直径40.5mmで厚みは14.7mm。スポーツモデルらしく20気圧防水を備えている。搭載しているムーブメントは9R66で、こちらも約3日間のパワーリザーブを誇る。

SBGA497、SBGE305ともに3連のスポーティなメタルブレスを装着しており、ストラップへの交換を容易にしてくれるドリル(貫通)ラグを採用。価格は3月発売のSBGA497が税込86万9000円、6月発売のSBGE305が税込84万7000円だ。前者が世界限定1500本(うち国内650本)、後者が世界限定1300本(うち国内600本)となっている。

ファースト・インプレッション
2023年はグランドセイコーが誇る機械式ムーブメント、9S系ムーブメントの25周年にあたる年だった。同年にグランドセイコーは、9S系ムーブメントが作り出される「グランドセイコースタジオ 雫石」近くにそびえる岩手山にちなんだふたつのモデルを発表している。岩手山にかかる雲海と空の美しさをダイヤル上に表したスポーツモデルSBGJ275と、山頂から見上げる中天の情景を写したSBGM253だ。そして今年、9R系ムーブメントの20周年を祝した記念モデルにおいて、ブランドはそれに近しい非常に印象的な手法をとった。スプリングドライブムーブメントが生まれる場所である「信州 時の匠工房」から望む穂高連峰の情景を、2本の時計に落とし込んだのだ。

2004年に誕生したグランドセイコー初のスプリングドライブモデルであるSBGA003。

そして、スプリングドライブのルーツを感じさせるという点で、SBGA497のほうがよりコンセプチュアルなモデルとなっている。本モデルはそのケース形状とデザインを、2004年に誕生したグランドセイコー初のスプリングドライブモデルであるSBGA001、SBGA003から受け継いでいる。スプリングドライブモデルの名作、雪白を思わせるダイヤルパターンがそこに合わさることで、周年モデルにふさわしいいっそう象徴的な存在になっているように感じられた。

ちなみに、雪白に限らず、これまでも穂高連峰をモチーフとしたスプリングドライブモデルはいくつか展開されている。穂高連峰のダイナミックな石稜をイメージした近年のSBGE277、SBGE295などもそうだが、いずれもピリッと引き締まった単色ダイヤルが特徴的だった。それらに対して、繊細で暖かな桜色のグラデーションを描くSBGA497は新鮮な印象だ。2022年の“桜隠し”ことSBGW289や、昨年の今ごろに発表されていたエボリューション9のAJHH限定モデルのときにも思ったが、グランドセイコーによる淡い色味の表現は素晴らしい。特に後者は、プレス画像で見るよりも透明感があり凛々しく清涼感に満ちていた。明るく輝くブライトチタンケースに収められたSBGA497のダイヤルがどのように映るのか、ぜひ確認してみたい。

一方のSBGE305は、ベゼルと鮮やかなコントラストを描くダークレッドが目を引くモデルだ。ダイヤルはサンレイ仕上げで、柔らかく朝日に照らされる雪面をイメージしたSBGA497とは対照的に、夏の太陽光を眩しく返す岩肌を表現したようにも見える。ダイヤルの発色がいい分、デイト窓が目立つという声があるかもしれないが、4時位置に白いデイト窓があることで、離れて眺めたときのシンメトリーがとれている。GMTウォッチにデイトはつきものと考えれば、(今作に限らずだが)スポーツコレクションのGMTモデルのバランスは改めてよく考えられていると思う。

上でも述べたが、GMT針を含むインデックスの要素はシルバーが主体となっており、色味の強いダイヤルを持ちながらも手に取りやすい一本にまとまっている。ベゼルの黒とダイヤルの赤のマッチも洗練を感じさせる王道の組み合わせだ。しかし、あくまで僕の意見だが、本数限定のアニバーサリーモデルとしては少々もの足りなさを感じてしまった。スプリングドライブの15周年時にも、グランドセイコーは「信州 時の匠工房」にほど近い北アルプスの自然が作り出す芸術“シュカブラ”をダイヤルモチーフとした印象的なモデルをリリースしていた。勝手な期待かもしれないが、グランドセイコーの周年と聞くと、次は日本のどのような風景をダイヤル上で形にしてくれるのだろうとわくわくしてしまうのだ。SBGE305のダイヤルの表面が、フラットなサンレイではなく穂高連峰の岩肌を思わせる荒々しい凹凸を持っていたら……、と少し想像してしまった。しかし、実物を見ていない段階での感想である。もしかしたら、手に取ってみた瞬間に「これでよかったのだ」と手のひらを返すかもしれない。あなたの意見はどうだろう?

まあ、周年モデルであるという点を置いても、グランドセイコーに新たなカラーダイヤルモデルの選択肢が加わったのは喜ばしいことだ(プライスも、過去の限定モデルと比較して大きな差はない)。SBGA497は雪白パターンとピンクグラデーションの組み合わせが新しいし、SBGE305のブラックセラミックベゼルとダークレッドの力強い組み合わせはシンプルに魅力的だ。個人的には、前者が手首の上でどのように見えるのか非常に興味がある。ひとまずは9R系ムーブメントの20周年に心からの賛辞を送りつつ、手元で確認できる日を指折り数えて待とうと思う。

基本情報
ブランド: グランドセイコー(Grand Seiko)
モデル名: Heritage Collection キャリバー9R 20周年記念限定モデル/Sport Collection キャリバー9R 20周年記念限定モデル
型番: SBGA497、SBGE305

直径: 41mm(SBGA497)、40.5mm(SBGE305)
厚さ: 12.5mm(SBGA497)、14.7mm(SBGE305)
ケース素材: ブライトチタン(SBGA497)、ステンレススティール(SBGE305)
文字盤色: ピンク(SBGA497)、ダークレッド(SBGE305)
インデックス: アプライド
夜光: 時・分針、GMT針、3・6・9・12時位置にルミブライト(SBGE305)
防水性能: 10気圧防水(SBGA497)、20気圧防水(SBGE305)
ストラップ/ブレスレット: ブライトチタン(SBGA497)、ステンレススティール(SBGE305)

ムーブメント情報
キャリバー: 9R65(SBGA497)、9R66(SBGE305)
機能: 時・分・秒表示、デイト表示、パワーリザーブ表示(9R66はさらに第二時間帯表示機能)
パワーリザーブ: 約72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 3万2768Hz
石数: 30
追加情報:平均月差±15秒(日差±1秒相当)

  • 2017年11月21日(火)11時39分

ベンチュラの新作はかつてこの時計を深く愛した世界的スター、

ベンチュラは、今から60年以上も前にデザインされたとは思えないフューチャリスティックな左右非対称フォルムを守り続けている、ハミルトンのなかでもアイコン的な存在だ。しかし、決して保守的なリリースに甘んじてきたモデルではない。世界初の電池式腕時計という背景を持ちながらの機械式ムーブメントの搭載、モダンなオールブラックスタイルへの挑戦、大胆なビッグサイズへのアップデートなど、スーパーコピー代引き専門現在に至るまでオリジナルを多種多様に発展させた斬新な取り組みを進めてきた。

しかし今年1月末日にリリースされた新作においては、「原点に立ち返り、オリジナルをもとにした新しいモデルを作りたい」という発想が開発のスタートになったとハミルトンは述べている。深みのあるブルーグラデーションダイヤルと、これに調和するブルーのストラップを組み合わせた新しいベンチュラ。一見した限りでは、既存のコレクションにカラーバリエーションを追加したかのようにも映る。しかし、そこにはベンチュラのストーリーの始まりともいえるエルヴィス・プレスリーへのオマージュが強く込められている。

ハミルトン ベンチュラが登場したのは1957年。キャデラックのデザインを手がけたリチャード・アービブによって考案された斬新な造形が目を引くだけではなく、クォーツ腕時計が誕生する10年以上も前に商品化された世界初の電池式腕時計という肩書きも背負っていた。同シリーズは今もなお、腕時計史に燦然と輝く金字塔として高い支持を獲得し続けている。当時、この時計に心を奪われたのが、50年代から70年代に活躍したアメリカのミュージシャンであり映画俳優のエルヴィス・プレスリーだ。ベンチュラは1961年公開の映画『ブルー・ハワイ(原題:Blue Hawaii)』の劇中でもプレスリーの手首に小道具として巻かれるなど、彼の手元でたびたび目撃されたことで“エルヴィス・ウォッチ”の愛称で多くの人の心に刻まれることになる。そんなベンチュラの新作がインスピレーションソースとしたのが『ブルー・スエード・シューズ』。初期のプレスリーを代表する1曲だ。

映画『ブルー・ハワイ』撮影現場でのワンシーン。左手首に、レザーストラップを装着したベンチュラの姿が確認できる。

『ブルー・スエード・シューズ』は同時代に生きたロカビリーミュージシャン、カール・パーキンスの曲である。プレスリーがカバーして1956年にシングルとしてリリースし(同曲のレコーディング日は、なんと今作のリリース日である1月30日だったとか)、同年に発売されたデビューアルバム『Elvis Presley(邦題:エルヴィス・プレスリー登場!)』のオープニングに収録された。ストレートなロックンロールサウンドのなかで繰り返される、“Don’t you step on my blue suede shoes(俺のブルー・スエード・シューズを踏むな)”の歌詞。青いスエードシューズに対する愛着やこだわりが表現された内容だが、一方でブルー・スエード・シューズとは“信念”や“アイデンティティ”を意味している──つまりこの曲は「俺のアイデンティティを汚すな」というメッセージと受け取られ、当時の若者たちの共感を呼んだのだ。

ベンチュラ ブルー・スエード・シューズ コレクションを見る

エルヴィス・プレスリーが実際に所有していたベンチュラ。彼がフレックスブレスに換装して使用していたという話は、あまりにも有名だ。

ハミルトンはかねてよりベンチュラのラインナップ拡充を進めてきたが、改めてプレスリーにオマージュを捧げるべく、今作では彼のキャリアにおいて重要な1曲をモチーフとして製作された。この楽曲を表現するために同社が最も重視したのが、ブルーのスエード調素材を取り入れること。そのため、ストラップにはスエードと同様に表面が起毛したアルカンターラ(高級車の内装にも用いられる人口皮革)を用い、同エレメントのカラーを軸にしてダイヤルの色を導くという通常のデザインとは異なるプロセスが取られた。また、ストラップは型押しレザーとの切り替えがアクセントになっているが、これはケースとストラップ表面の接触による摩耗を防ぐ目的に加え、シューズにおけるアッパーとソールの切り替え部分を表したものである。単にスエード調の素材を取り入れるだけではなく、楽曲に登場したブルースエード素材の革靴を思わせるデザインにもハミルトンはこだわった。

1950年代後半に製造された初期のベンチュラ。

新作のラインナップには、プレスリーが愛用していた電池式ベンチュラの面影を残すクォーツの3針モデルをメインに、バリエーションとしてクロノグラフをセレクト。どちらのモデルにも、ブルーのアルカンターラストラップとフレックスタイプのブレスレットを用意した。その並びにはケースやフレックスブレスにゴールドのPVDコーティングを施したモデルも含まれるが、これはブルーダイヤルとの相性のよさに加え、1957年にリリースされたオリジナルモデルをイメージしたものだという。オートマティックモデルをラインナップに加えなかったのも、プレスリーが生きた時代の空気や、世界初の電池式時計として登場した歴史に敬意を払った結果だ。グラデーションが美しいサンレイダイヤルを回る針先の赤も、初期ベンチュラの秒針を思わせる。

ラジオに代わってテレビが主要メディアとなり、また遠くへの移動手段も船舶から旅客機へと移行するなど、経済、産業そしてエンターテインメントまでもが急速な発展を遂げた50年代。そんな時代に登場したベンチュラは、世界初の電池式腕時計という当時の技術革新を象徴するモデルとなっただけでなく、エルヴィス・プレスリーが着用したことによってカルチャーアイコンにもなった。そんなオリジナルモデルのコンセプトや造形を踏襲しつつ、そのころのヒットナンバーをモチーフとしたこの新作が、単なるカラーバリエーションでないのは明白だ。ハミルトンはベンチュラについて、時計というよりもアイコン、シンボル的な存在を作り続けているように考えていると語っている。今作もまたプレスリーへのオマージュを通じて、その時代の空気を今に伝えてくれる、メッセージ性を担ったモデルなのである。

  • 2016年05月14日(土)09時00分
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